今週の一曲 (3)
自分は中学2年でフラメンコギターを弾きはじめ、高校時代は興味本位でクラシックギターも平行してやっていた。
当時はアンドリュー・ヨークや村治香織、押尾コータローといったギタリストが流行っていたのだが、周囲の熱狂を他所に、僕の興味はもっぱらラルフ・タウナーだった。
今回はこの曲を紹介したい。
Ralph Towner -- Jamaica Stopover
一説にはSting のEnglishman In New Yorkに影響を受けた曲とも言われているそうだが、サビとリズムの雰囲気はたしかにちょっと似ている。
"Stopover"は和訳すると「途中下車」。
なんだか平日の昼間に、人のまばらな見知らぬ街を、ぶらぶらと"フラヌール"したくなりそうな、「独り行動なんて余裕です」という趣のナンバー。
余談だけれども、ギターで好きなコードといえばBm系(ロ短調)だった。
とにかくBmのキーで作られたギター曲はなぜかエモい。
なぜだ。これを大にして問いたいレベル。
はたして、開放弦が絶妙な位置にある影響からなのだろうか。
非常に暗く憂愁であるが
静かな期待と辛抱強い希望もほのめかす
(引用元HP: 『音楽マメ知識 「調の特性」』より)
なるほど、これは妙に納得してしまいそうだ。
言い得て妙な、このBmのクオリア。
緊張と開放(弦)の狭間の、説明しがたいほどの淡いゆらぎ。
センシティブな10代のガラスのハートにビリビリ共鳴したその痕跡は、今でも自分の中にしみじみとして残り続けている。
しばらくは開放弦ギター祭りになりそうだ。
- アーティスト: ラルフ・タウナー
- 出版社/メーカー: Universal Music International Ltda.
- 発売日: 1989/04/05
- メディア: MP3 ダウンロード
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